Q1:建築構造技術者とは?
- 建築構造技術者の仕事としては主には以下のことがあります。
構造設計・工事監理・建築確認の構造審査・構造計算適合性判定・建築構造に関する研究開発・教育・ソフト開発など。
- 建築構造技術者は、上記の仕事を行う方々の総称です。「技術者」や「エンジニア」と呼ばれることもあります。
- 建築構造技術者であれば、構造設計を行っている方々以外でも、本協会の正会員になれます。
Q2:建築構造技術者になるには?
- 建築構造として、最初に学ぶのは構造力学です。
- 高校では、理科の物理の中で力学と呼ばれる分野があると思いますが、その力学を建築あるいは土木工学に特化させた分野が構造力学です。
- この構造力学を基幹とし、鉄骨造・鉄筋コンクリート造・木造といった材料別の専門分野があります。
Q3:構造設計とは?
- 建物に作用する様々な力(地震・風・雪・水圧・土圧・振動等)に対して、人命を保護するために、建物が倒壊しないように設計・計算することが仕事です。
建物以外には、擁壁・看板・鉄塔といったものの構造も取り扱います。
- 構造設計者は、計算や根拠に基づいて建物の安全性を確かめる以外に、建物デザインを実現するために意匠・設備と連携する必要があり、各種法規にも熟知・準拠しなければいけません。
Q4:工事監理とは?
- 工事施工者の行う工事が設計図書の内容に適合しているかについて、工事内容に応じた合理的方法により確認を行うことが、工事監理です。
- 工事監理者は、設計図書の内容について理解・把握する高度な技能が必要となり、時には不適切な工事の是正を工事施工者に命じなければいけません。
Q5:建築確認の構造審査とは?
- 建築基準関係規定への適合性を確認することとされており、建築基準法、特定行政庁条例、建築物の構造関係技術基準解説書、学会等の設計基準・設計指針の規定に則した構造図書となっているかをチェックすることです。
- 具体的には、以下の事項について高度な専門的判断を要することのない範囲でチェックします。
・図書・記載内容の相互の整合性、法適合性
・構造計算に用いる各種数値等の妥当性
・図面と構造計算上の扱い一致、法令基準適合の確認
・解析・算定式等の妥当性
・演算過程、結果の適正
・計算結果の法適合性の確認
Q6:構造計算適合性判定とは?
- 耐震偽装事件を発端として構造計算の妥当性を確保するためダブルチェックを行うものです。
- 具体的には、以下の事項について高度な専門的判断を含む構造計算の適合性の判定を行います。
・専門的な判断が伴う各種数値等の設定
・専門的な判断が伴う計算骨組み形状の妥当性
・解析・算定式等の妥当性
・演算過程、結果の適正
・再計算(演算過程、結果の適正)
Q7:建築構造に関する研究開発とは?
- 各企業による商品開発の他に、大学・大学院や高専・技術研究所等の研究機関での研究が含まれています。
- 研究開発には、高度な知識を基盤とした上での独創性を生み出すアイディアが必要となります。
- 研究開発は、実験結果と理論・提案の比較検討する方法から導き出すものや、コンピューター解析結果と理論・提案の比較検討する方法から導き出すものなど、研究者・開発者の環境や考え方により様々な手法があります。
Q8:建築構造に関する教育とは?
- 一般的には、大学・大学院や高専等の教育機関で建築構造に関して教鞭を執ることです。
- 学問に対する高度な専門的知識や豊富な経験が必要となります。
Q9:ソフト開発とは?
- 一貫計算・解析プログラム等と呼ばれるソフトウェアの開発に携わることです。
- プログラミングのスキルの他に、ソフトウェアを作成後の関係法規の改正やプログラムバグなどで、建築構造の他にも幅広い知識が必要となります。
- プログラミングの言語も、FORTRANやC言語・Pythonといった様々あり、進化を続けています。